植物を育てるうえで「光補償点(ひかりほしょうてん)」や「光飽和点(ひかりほうわてん)」というキーワードがあります。これらは植物の光合成にとってとても大切なポイントです。最初は少し難しくて理解に戸惑いましたが自分なりに理解してまとめたので、初心者や子供でもわかるようにやさしく説明したいと思います。
そもそも光合成って何?
植物は光を使って「光合成(こうごうせい)」をします。
簡単にいうと、光、水、二酸化炭素(CO₂)を使って、酸素と栄養(糖)を作る働きです。
光合成のおかげで、植物は自分で栄養をつくり、成長することができます。

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光補償点とは?
光補償点とは、「光合成で作られる酸素の量」と「呼吸で消費される酸素の量」がちょうど同じになる光の強さ(明るさ)のことです。
植物は夜になると光合成ができず、呼吸だけを続けています(人間と同じように酸素を使ってエネルギーを得ています)。
つまり、
- 光が弱すぎると:呼吸で使う酸素の方が多くて、成長できません。
- 光がちょうど光補償点くらいだと:プラスマイナスゼロ。成長はしません。
- 光がそれより強くなると:光合成が上回り、植物は栄養を作って成長できます。
💡光補償点を下回る環境では、植物は元気がなくなってしまうんです。
光飽和点とは?
光飽和点とは、植物の光合成が最大になり、それ以上光を強くしても光合成量が増えない光の強さのことです。
光をたくさん当てれば当てるほどいい!と思いがちですが、植物にも限界があります。
- ある程度までは光が強くなるほど光合成量も増えます。
- でも、光飽和点を超えると、それ以上は変わらなくなるんです。
さらに、光が強すぎると葉焼けなどのトラブルにつながることもあります。
たとえで理解しよう!

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このイラストは、植物がどれくらいの光を必要としているかをトマトで例えたものです。
- 左のトマト: 光がまったく当たっておらず、寝ている状態です。光合成はできていません。つまり、植物はエネルギーを作れず、生きていくのがやっとの状態です。
- 真ん中のトマト: ちょうど「光補償点」と呼ばれる明るさに達しました。この光の強さで、植物は光合成によって作るエネルギーと、呼吸で使うエネルギーがトントンになります。ようやく「プラスマイナスゼロ」で生きていけるレベルです。
- 右のトマト: 「光飽和点」に達した元気いっぱいのトマトです。ここまで明るくなると、植物は最大限の光合成を行い、それ以上明るくなっても効果は頭打ちになります。まさに絶好調な状態!
野菜や植物によって違う
光補償点・光飽和点は植物の種類によって違います。以下に一部を示しました。
植物 | 光補償点(ルクス) | 光飽和点(ルクス) |
---|---|---|
トマト | 約3,000 | 約70,000 |
レタス | 約2,000 | 約25,000 |
大葉 | 約1,000 | 約20,000 |
基本的に、夏野菜(トマトやきゅうり、ナスなど)は光飽和点が高く、強い光を必要とします。一方で、葉物野菜(レタスや小松菜、ほうれん草など)は比較的に光飽和点が低いです。
ちなみに、夏の直射日光は正午で10万ルクス以上、冬の直射日光は正午で5万ルクスくらいあります。日陰や網戸越し、また曇りの日ではもっと光は弱くなります。
家庭菜園・水耕栽培ではどう活かす?
植物を育てるときに、
- 最低でも光補償点を超える光をあててあげる
- でも光飽和点を超えすぎないように注意する
というのがポイントです。
LEDライトや日当たりの管理に活かせば、植物を枯らしたり徒長させたりせずにうまく育てられます。
照度計を使って、植物を置いている場所にどのくらい光が当たるのかをチェックするのもおすすめです。
まとめ
用語 | 意味 | ポイント |
---|---|---|
光補償点 | 光合成と呼吸が同じ量になる光の強さ | ここを超えないと植物は成長しない |
光飽和点 | これ以上光を強くしても光合成が増えない光の強さ | ここを超えても効果はなく、葉焼けに注意 |
植物の「ちょうどいい明るさ」を知ってあげることが、元気に育てる第一歩です🌱
ぜひ、今日から植物にとっての快適な光を意識して、家庭菜園に役立ててみてください!
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