磨りガラスは一般的に、透明なガラスと比較して50〜70%ほど照度が落ちるそうです。
植物は日照が命。最近、西向きの磨りガラスの出窓で水耕栽培を始めたのですが、照度が足りているのか心配になったので照度を計測してみました。
また照度の値から、どの野菜なら育てられてどの野菜は育てるのが難しいのか、まとめてみます。
磨りガラスの材質によって照度のカット率も違うと思いますが、参考になると幸いです。
計測場所と条件
- 場所:東京
- 時期:5月
以下の4箇所の照度を同時刻で計測して、比較してみたいと思います。
- 屋外、直射日光
- 屋外、日陰
- 出窓、南西向き(角になっていて、二面採光)
- 出窓、西向き

磨りガラスの材質はこんな感じです。右奥にフェンスがあり、その形がうっすらと見えています。
ちなみに西向きと東向きは1日のトータルで考えると降り注ぐ光の量は大体同じらしいです。
東向きで栽培している人は、西向きの値を参考にしていただけたらと思います。
植物に必要な照度一覧
必要な日照時間と照度(ルクス)は植物によって異なります。
例えばトマトは陽性植物で7万ルクスが光飽和点です。つまり言い換えると、7万ルクスの光に6時間以上当てるのが理想です。
おおよその値を表にまとめましたので、これを踏まえつつ計測値を確認していきましょう。
作物 | 光飽和点 | 日照時間 |
トマト | 70,000 | 6時間 |
夏野菜・豆類 ※1 | 50,000 ~ 40,000 | 6時間 |
葉物野菜 ※2 | 30,000 ~ 20,000 | 3~4時間 |
いちご | 25000 | 3~4時間 |
陰生植物(大葉やニラなど) | 20000 | 1~2時間 |
※1…きゅうり、なす、枝豆、ピーマン、インゲンなど
※2…チンゲン菜、小松菜、ほうれん草、レタスなど
快晴の日の照度☀️
1時間おきに計測したグラフです。

屋外は10万ルクス近くありとても明るいです。
南西向きの窓ですが、建物の日陰になっていて直接陽が当たるのは12時以降でした。葉物野菜を育てるのには十分ですが、夏野菜を育てるにはちょっと物足りないかな?と言う感じですね。
西向きは、夏野菜を育てるのには不適そうですが、葉物野菜ならば十分な値でした。
屋外日陰は、ぱっと見明るく見えるのですが、照度は常に低かったです。陰生植物なら育ちそうですが、それ以外の野菜を育てるとなると徒長や生育不良が起こりそうです。
ちなみに、12時に洗濯ネット越しに測ってみたところ、8万ルクスありました。
写真にあるように目が細かい材質の洗濯ネットです。

実験の結果、以下の順で植物が育ちやすいということがわかりました。
- 直射日光(10万ルクス)
- 防虫ネットをかけて直射日光に当てる(直射日光の80%)
- 磨りガラス越しに直射日光が入る窓際(直射日光の70〜50%)
- 屋外の日陰(直射日光の10%)
曇りの日の照度☁️
同じ場所を曇りの日で計測してみました。

ちなみに、14時だけ雲が薄くなって柔らかい光が差し込んでたので値が急増しています。
曇りといえども雲の厚さによって照度は変わってきますね。
屋外は快晴の日と比較すると5分の1くらいまで光量が下がっていることがわかります。
窓際でおおよそ1〜2万ルクスで、これだと陰生植物以外には物足りない感じですね。
- 直射日光(1万ルクスくらい)
- 磨りガラス、南西むき(直射日光の80%)
- 屋外の日陰(直射日光の60%)
- 磨りガラス、西むき(直射日光の40%)
実際に磨りガラス越しで野菜を育ててみて
今育てている野菜の途中経過を載せます。全部水耕栽培です。
トマト
レジナミニトマト。
トマトは光を必要とするので心配でしたが、割と太くしっかり育ってきています。
まだ育て始めなので収穫量は不明。

枝豆
割と徒長気味。
矮性種のはずですがひょろひょろと縦に伸びてしまいました。
一応ツボミも見えてきて、これから収穫できると思います。収穫量はまだ不明。

インゲン
しっかりと育ちました。
実もたくさんつき始めていて、これからの収穫が期待できます。

パプリカ
枝豆とインゲンの間に揉まれながらもそこそこ大きく育ってきています。

他の葉っぱの影に埋もれてしまっているのであまり収穫量の期待はしていませんが、ツボミが見えてきました。
葉物野菜
ほうれん草とちんげん菜とリーフレタスが同居しています。
十分に大きく育っています。

いちご
継続的に収穫できています。
苗を買ってから1ヶ月くらいですが、3個は収穫できました。


まとめ
磨りガラスの照度について
自分の家の磨りガラスは、直射日光の80%〜50%ほどの照度でした。
植物は育つかについて
計測した照度や実際に育ててみた経過を鑑みて、磨りガラス越しでも十分に野菜が育てられることがわかりました。
光飽和点と日照時間はあくまでも目安量であって、絶対に必要というものでもなさそうです。夏野菜を育てるのにはちょっと足りないくらいの照度ですが、意外とトマトもちゃんと育っているので。
ただ収穫を迎えている植物はまだ少ないので、どのくらい収穫量が取れるかは未知数です。
屋外のような強い日当たりはないので屋外家庭菜園やプロ農家の方と比べたら収穫量は少なくなると予想していますが…
あとは、曇りの日はとても照度が弱るので注意が必要そうです。
私も発芽直後に曇りの日が続いて苗が徒長してしまったことがあるので、発芽してから本葉が出るまでは毎日ライトに当てていて、本葉が生えて以降はライトはほぼ使わず放置で育ててます。
私が使っているライトはこれです。
ライトを使ってからは苗が徒長することがなくなりました。枝豆はライトを持ってなかった時に育て始めたので、次回こそはライトに当てて徒長しないように育てたいです。
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